どうも!
前回「エラーゲームリセット」の話をしましたが、せっかく「ぷよぷよ」が同じセガ社内のスマホゲームに登場、しかもゲスト的な扱いではなくメインストーリーにガッツリ組み込まれているのだから「ぷよクエ内でも少しは宣伝すればいいのに…」と若干思っている筆者です。
さて、今回は「メインストーリー第6部」の感想です。いろいろ語ると思いますが、決してダメ出しをしたいわけではなく、あくまで個人の感想を語りたいだけです。
初見で読み終えたときに真っ先に浮かんで来た疑問がコレでした。
最初は「飛び飛びで読んでいたので筆者が見落としたり忘れたりしているだけかも?」と思い、第6部をもう一度読み直してみたのですが、ここがやっぱりよくわかりませんでした。
「ぷよSUN」も描かれるストーリーは全部ギャグではあるものの「しょうもうない欲望のために太陽を巨大化させ皆を苦しめるサタン」VS「サタンを倒して元通りの世界を取り戻したいアルルorシェゾ」という明確な対立軸が用意されており、サタンは最後にはアルルからもシェゾからもきっちりこらしめられます。
時空探偵社とタイムパラダイス社は良くも悪くも最初から最後までずっと「なぁなぁ」な関係のように見えたので、彼らは何を巡って争っていたのか、「そもそも彼らの間に対立関係なんて本当にあったのか!?」よくわからないまま終わってしまったのは少し残念でした。
ぷよシリーズにはアルル、アミティ、りんごという3世代に渡る主人公とその仲間たちがいるわけですが、彼女たちを差し置いてまで新キャラを用意して「ぷよクエ」のメインストーリーで描きたかったことは何だったのか⁉
それは、このロキアーの一言に収束されていると思います。
「古の魔法と未来のテクノロジーを組み合わせたとしたらどうなるのか⁉」
これだと思います。
もしかしたら案外本当に、あたり達は未来に転生した新しいアルル達の姿なのかもしれません。
今までも散々言い続けて来ましたが、筆者は「剣と魔法のファンタジー世界だったぷよシリーズに科学はいらない」と考えており、ロボや科学者が出てくる度に不満に思っていました(^_^;)
で、ロキアーにそう言われて納得したのかといえば、若干腑に落ちた部分もあるものの、やっぱりまだモヤモヤしている部分もあります(^_^;)
何故なら、「古の魔法と未来のテクノロジーを組み合わせようとした」描写はかろうじてあったものの、「そうしたら実際にどうなるのか?」という描写が皆無だったからです。
「時空探偵社」とアルル、アミティ、りんごには決定的な違いが一つあります。
それは、「前者はビジネスマン(≒社会人)だが後者は学生である」ということです。
あたりは行動や言動がやや幼いので、中学or高校を卒業したばかりの新米フリーターなのかもしれません。いずれにせよ、所属組織は「学校」ではなく「会社」として描かれています。
主人公(達)を学生から社会人にしたのは、「ぷよクエ」自体が「学生時代にぷよぷよで遊んだ現社会人」をメインターゲットに据えたゲームだからだと思われます。(リリース当初はアミティたち「プリンプ魔導学校組」が主人公でしたが、サービス継続8年目のリニューアルで、もっと社会人向け(≒大人向け)な内容にシフトしたかったのかもしれません?)
第5部の感想で筆者は
今の公式が魔法ではなく科学を描きたがるのは「いつまでも、魔法なんて夢みたいなこと言っていないで“大人になれ”」と、そういうことが言いたいのか?
と、半分冗談で書いたのですが、もしかしたら案外当たっていたのかもしれません💦
少なくとも敵(タイムパラダイス社)も味方(時空探偵社)もビジネスマンにしたのは現公式がぷよ世界を「魔導学校」から卒業させたかったからではないでしょうか?
ぷよ世界が「魔導学校」から卒業するための最初の足掛かりになったのはりんごです(りんごは学生ではあるが、学校で魔法を学んでいるわけではない)。しかし元々、「ぷよ7」は(フィーバーまでのぷよぷよとは無関係の?)魔法少女ものとして企画されたけど紆余曲折を経て今の形に落ち着いたそうなので、「最初から魔法の世界から脱却するために用意された主人公」というよりは「新しいファンタジーをやるつもりで準備していた主人公だったけど色々あって結果的に魔法の世界から脱却するための最初の足掛かりになってしまったキャラクター」だと思います。
そんなわけで主人公の所属組織が「学校」から「会社」になったことで、「もう社会人(≒大人)なんだから、いい加減魔導学校からは卒業しようね?」とそんな風にぷよクエ公式言われたような気がするのは筆者の考えすぎでしょうか…?(^_^;)
※勿論、ここで言う「魔導学校」とは、「魔法の世界」のメタファーです。
最初に「時空探偵社」と「タイムパラダイス社」の対立構造がよく分からなかったと書きました。
というのも、時空探偵社はまだともかく、タイムパラダイス社が本当は何をしようとしていたのが、すごく断片的にしか描かれていないからなんですよね。
下っ端社員(?)であるゼロとハチはちゃんとした姿で登場するのに、真の黒幕である「イッセン」に関しては最後まで依り代であるイヌロボットとしての姿しか描かれないという始末です(^_^;)
とりあえず、その断片的な情報をまとめてみると…
自社の利益のために従業員を粗末に扱う企業を「ブラック企業」と呼びます。イッセンはやっと見つけた魔法陣を独占するためにゼロとハチを切り捨てようとしたかのような描写がうっすらとありましたが、これも果たして本気だったのかはよくわかりません。
作中ではっきりしたことは「タイムパラダイス社はプワープアイランドの魔法陣を独占して会社の利益に役立てようとしていたが、イッセンが行方不明になったことで計画がとん挫した」これだけです。
何故魔法陣でなければならないのかはよく分かりません。もう、自身の依り代になるロボットや時空検索エンジン「Jikoo!」を作れるほどのテクノロジーのある会社なら、魔法に頼る必要は皆無だと思うのですが、「古の魔法と未来のテクノロジーを組み合わせたら~」というロキアーのセリフから無理やり考察すれば、「時空検索エンジンJikoo!に魔法陣の力を融合させて大儲け」それがタイムパラダイス社がやろうとしていた事(=時空検索エンジンプロジェクト)だと思われます。
時空探偵社が「時空の困りごとを解決する企業」ならば、タイムパラダイス社は「時空を乱し、事件を引き起こす企業」…と、いう構造にしたかったのだとは思うのですが、どうにもこの部分が弱かったと思います。
何故ならば、そもそもぷよクエのメインストーリーは「タイムパラダイス社が時空検索エンジンプロジェクト」を完遂する前に物語が終わってしまったからです。…といより「タイムパラダイス社が『時空検索エンジンプロジェクト』を完遂させるのを時空探偵社が“なりゆきで”防ぐお話だったからだ」と表現した方が正しいのかもしれません。
タイムパラダイス社が「大きな力を手に入れて、何かやらかす」前にイッセンを倒してしまったわけですから、そりゃ、対立軸なんて描きようがないですよね(ある意味もっとも効率の良い時空の正し方だったのかもしれませんが…)。
エピローグのロキアーのセリフからは、イントラルシティでは「タイムパラダイス社」以外にも時空改変を行う会社組織(or個人)が存在し、時空探偵社は日々、それらと戦っているように見えます。ただし、そのいずれも、社長1人と従業員が2人(とロボが1体)しかいない時空探偵社で解決できるのですから、おそらく改変の規模はそれほど大きくなく、「小規模な異変」にとどまっているものだと思われます。
※「時空パトロール」という存在がいるらしいこともイッセンから語られていましたが、「そういう存在がいる」という以外の情報が皆無なので無視します。
ではもし、タイムパラダイス社が予定通り「時空検索エンジンプロジェクトを完遂させたらどうなったのか?」というのが描かれているのが奇しくも「エラーゲームリセット」に登場する「架空のセガ社」だと思います。
エラゲ世界の架空のセガ社は「世界の歴史を自社の利益に繋がるように書き換えて、世界中の富と権利を独占する悪徳企業」として描かれています(注:あくまでエラゲ世界の架空のセガ社はそのように描かれているという話で、現実のセガ社がそのような企業だと言っているわけではありません)
そして、そんな架空のセガの暴走を止める、というのがエラゲプレイヤーの目的になっています。
つまり、「あらゆる時空の理を自社の利益に都合がよいように書き換え、全時空の富と権利を独占する超巨大企業へと成長させること」。それが、タイムパラダイス社というかイッセンの真の目的だったのではないでしょうか?
この考察が本当にあっているのか的外れなのかはわかりませんが、タイムパラダイス社にはもっと明確に自社の目的を語って欲しかったですし、時空探偵社とタイムパラダイス社はせっかくぷよシリーズのメインキャラとしては初の“ビジネスマン”なのですから、「ビジネス上の対立」というのを、もう少し明確に描いてもよかったような気がします。
というわけで今回は以上…なんですが、ここまでぷよクエのメインストーリについて真面目に考察した人、他におる?
おったら速攻で読みに行くから教えてくれ。
他にもあたりとプーボ、ゼロのことなどこの記事では書ききれなかった感想があるので気が向いたらそっちも書く…かも?
色々書きましたが、なんだかんだぷよシリーズの考察をしている時間が人生で最も楽しい時間の一つなんで、あれこれ考えるのは楽しかったです。楽しい時間をありがとうございました。今後も新しいストーリーを楽しみにしています。