メインキャラにロボが登場したり、仮面ライダー、ドラえもんに継いでエヴァンゲリオンとコラボしたりとSF化が止まらない「ぷよクエ」。
このままだと現在の公式からもユーザーからも「ぷよシリーズがファンタジー作品である」という事が忘れ去られそうなので、「ぷよシリーズの魔法体系」について、解説しようと思います。
「ぷよシリーズがファンタジー作品だとは知っているが、詳しい設定はよく知らない」という方にとっては参考に、「詳しく知っている」という方にとっては復習になれば幸いです。
アミティはプリンプ魔導学校に通う魔導師見習いの少女であり、日々魔法の勉強をしています。ぷよクエでも「魔導学校」コンボが乗ることから「魔導組」と呼ばれる事もありますが、「魔導」と「魔法」の違いが何なのかご存知ですか?
カンタンに説明すると、「魔導」は「魔法」の根幹を成す概念であり、「魔導」の一部を切り取って術式化したものが「魔法」です。
身近な例で言えば「カップ麺を作る工場」が「魔導」であり、「工場で製品化されたカップ麺」が「魔法」です。
私達が工場でどの様にカップ麺が製造されているのか知らなくても、お湯を注げばカップ麺が食べられる様に、アルルもアミティも「魔導」そのものについては知りませんが、呪文を唱えることで「魔法」を使うことができます。
彼女達が「魔法」ではなく「魔導」そのものを知った時、はじめて本当の「魔導師」になれるのかもしれません。
…しかし実は初期の「魔導物語」や旧ぷよシリーズには「魔導」と「魔法」の区別は存在せず、上記の様な設定が語られたのは商業二次小説の「真魔導物語」が初です。
ゲーム本編で「魔導」と「魔法」が区別して語られたのは、「ぷよフィ2」が初となります。
「魔法を扱う少女」の内、アルルやアミティは「魔導師」という肩書ですが、ウィッチは「魔女」という事になっています。
男性の場合、シェゾやレムレスは「魔導師」ですが、アルベルトやローザッテは「魔法使い」と呼ばれています。
この違いが何なのかご存知ですか?
実はぷよシリーズの原点となった「魔導物語」では「魔法を扱う人間」は男女問わず「魔導師」であり、「魔法を扱う女性の魔物」は「ウィッチ(=魔女)」、「魔法を扱う男性の魔物」は「ウィザード(=魔法使い)」という呼称でした。
アミティ達が初登場した「ぷよフィ」の世界観は「魔導物語」と同じであるため、「ぷよフィ」の世界観を一部継いだ「ぷよクエ」でも人間であるアルルやアミティ、シェゾやレムレスは「魔導師」であり、女性の魔物であるウィッチは「魔女」という区別がされています。
ローザッテや「魔法使いシリーズ」については公式から明確な説明がないので断言する事はできませんが、
リチャード編のストーリーでレムレスがクルークに「魔法使いと魔導師は違う」と諭す場面があることから、恐らく上記の設定を踏襲しているものだと思われます。
つまり、「魔法使い」のローザッテやアルベルト達は「人間ではなく魔物」だという事です。…タブンネ。
3/11追記:読者さまから「現状、セガぷよ設定では思想や流派の違いの域を出ないと思います」とコメントを頂きました。
確かに、インキュバスやペルヴィスには「まもの」コンボがあるのに、ウィッチや魔法使いシリーズ、ローザッテには「まもの」コンボが乗らないことから、ぷよクエ的には「魔法使いor魔女」と「魔導師」の違いは魔物と人間の差ではないのかもしれません。
ではどこからその「差(=流派)」の違いが生じているのか考えてみたのですが…
ウィッチの紹介文に当然のように書かれている
一人前の魔女になるため、すごい効果の魔法薬を作ったりしている。
の一文ですが、元々の魔導物語・ぷよシリーズのウィッチに「魔法薬を作る」という設定はなく、これを初めて実施したのが商業二次漫画「とっても!ぷよぷよ」でした。この設定をコンパイルがぷよぷよ~ん(4作目)から取り入れ、セガになってからもそれが引き継がれた形になります。
「とっぷよ」的には「箒に乗ったり魔法薬を作ったりするのが魔法使い」「呪文で魔法を操るのが魔導師」、という設定でした。
「ぷよ~ん」以降のゲーム本編ウィッチは魔法薬を作る他に呪文も操りますから、「呪文で魔法を操る他、魔法薬作りも得意とするのが魔法使いor魔女」「呪文だけで魔法を起こすのが魔導師」、という風に現在は考えた方が良いのかもしれません。
「魔法使いシリーズ」の変身素材に薬草がありますが、それぞれ「魔法薬作りが得意」という説明があります。
呪文が使えて魔法薬も作れる「魔法使い」の方が、呪文だけで勝負する「魔導師」より凄そうな気もしますが、「魔法使いシリーズ」のスキル性能が「魔導学校シリーズ」の下位互換的な位置づけなのを見ると、「呪文の威力や効力は魔法使いより魔導師の方が上」という解釈ができるのかもしれません。
ただ断言はできないので「そうなのかもしれない」程度に思って頂けますと、幸いですm(__)m
あるいはリクさんの指摘通り
魔導師は魔法を使い魔導に至ることを目的とした探求者で、魔法使いは魔法の修練の習熟によって扱う道具として魔法の行使を極めることを目的としている
のかもしれません。
(追記終わり)
アルルが元々住んでいた世界の名前は「魔導世界」で、アミティの住む町の名前は「プリンプタウン」です。
プリンプタウンは「魔導世界」の設定をもとに作られているので、両者の世界観はほとんど同じですが、決定的に違う点が1つあります。
それは、「魔法を扱うことができる者の数」です。
アルルの世界では「魔法を扱うことができる人間」は少数であり、その中でも選りすぐりのエリートだけが「魔導学校」に入学する事を許可されます。
…つまり、魔法を扱えてかつ、「魔導学校」に入学する資格も得ているアルルは実は超天才だという事です(笑)
…というのが「魔導物語」初期のアルルの設定だったのですが、後発の「真魔導物語」では潜在能力が評価されて魔導学校への入学は許可されたものの実力は落ちこぼれという設定に変更され、この小説の設定を踏襲したのか「ぷよフィ2」では「0点テスト」にアルルが反応するようになっています(^_^;)
一方アミティの世界では、子供たちは皆「魔導学校」に通い、多くの人が「魔法」を使うことができます。
この事にアルルが驚く様子が「ぷよフィ2」では描かれています。「カルチャーショック」というやつですね(笑)
他にもシェゾが闇の魔導師としては二代目であったり、魔導物語3の時点でのルルーは魔導師であり、和解したアルルと一緒に魔導学校に行くことを楽しみにしていたりと、「魔導物語」シリーズには「ぷよシリーズ」ではあまり語られていない面白い設定やストーリーが色々あります。
ぷよフィ2でもシグの謎や、アルルの世界との繋がり、その他色々な伏線が貼られました。
ファンタジーではなく、SF方面に話が進行しているので、今後過去作のストーリーや設定がどの程度活かされるのかは分かりませんが、上記の設定を知った上で「ぷよクエ」を遊べば色々と発見があってより楽しめる…ようになることを願っています。
タイトルにつられて拝見しましたけど、魔導師と魔法使いの違いは特に旧作設定を意識したものではなく、もっと表面的な意味合いかと思います。それぞれの文脈や魔法使いシリーズのデモ等を考慮しても明確に旧作を意識してるようには読み取れませんし、もっと素直に魔導師は魔法を使い魔導に至ることを目的とした探求者で、魔法使いは魔法の修練の習熟によって扱う道具として魔法の行使を極めることを目的としていると受けとれます。つまり魔導師も魔法使いも同じく魔法を行使する者だけど本質的にその目的とする思想が違う集団と考えた方が自然だと思います。あと、近年の紹介ではウィッチ等はアルルたちとは違う種類の魔法を使う女の子というニュアンスで紹介されていたりもするので、旧作の魔物設定が存在しているかは大いに疑問です。現状、セガぷよ設定では思想や流派の違いの域を出ないと思います
リクさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
>現状、セガぷよ設定では思想や流派の違いの域を出ないと思います
記事にも追記したのですが、確かに、インキュバスやペルヴィスには「まもの」コンボがあるのに、ウィッチや魔法使いシリーズ、ローザッテには「まもの」コンボが乗らないことから、ぷよクエ的には「魔法使いor魔女」と「魔導師」の違いは魔物と人間の差ではないのかもしれません。
もしかしたら「魔法薬を作るか否か」というところが「魔法使いor魔女」と「魔導師」の分け目になるのかもしれないと思ったので、よろしければ追記分をご覧くださいm(__)m
>タイトルにつられて拝見しました
ぷよシリーズの魔法世界に興味がおありのようで良かったです!
魔導物語、ぷよシリーズの世界はこの記事では語り切れない魅力にあふれているので、可能であれば過去作も是非遊んでみてくだい。