※蒸気サタンを使用した攻略法の記事ではないので注意
2021年11月11日から開始された「蒸気と暗闇の塔」イベントからついに「蒸気都市のサタン」が実装されました。
それと同時に蒸気都市のサタンがどのような人物かを描いたストーリーが公開されたので見てみましたが…
一言で言えば「セガぷよの矮小化されたサタン像、ここに極まり」という感じのキャラ造形で、懐古中としては少し残念に思いました(汗)
この記事では新旧のぷよ・魔導物語シリーズやセガぷよサタンの歴史をカンタンに振り返ってみたいと思います。
少し前に某所でセガぷよファンと思われる方が「超越した存在達」というファンアートを描かれていて、その中にマール、スクエアス、エコロ、エックスが描かれておりましたが、魔王であるサタンはいませんでした(汗)
本当ならサタンはその4人と同等以上の存在であるハズなのですが…。
「ああ、コンパイルぷよ・魔導物語をほぼ知らないセガぷよファンの方にとって、サタンはそういうキャラクターなのだな」という事を痛感する一件でした(注:そのファンアートを描かれた方を責めているわけではないですよ💦)
2015年には舞台化もされた「ぷよ」シリーズですが、その中でポポイはサタンについて「あんまり凄そうな奴には見えないにゃ」とアコール先生に語っておりました。恐らくこれが「フィーバー(2003年)」以降から「ぷよ」ファンになった方のサタン像に対する本音ではないでしょうか?(注:舞台はアルルを中心としつつ、今までありそうで無かった展開が描かれており面白い脚本でした)
では元々(魔導物語)のサタン像はどのような人物だったのかというと、「闇の公子」というタイトルの海外のエロ幻想小説に出て来る闇の公子アズュラーンがモデルの魔王で、世界の滅亡こそ企んではいなかったものの、カタツムリの姿をしたまもの商人である「よよよ」(ぷよシリーズには未登場)が彼の住むライラの遺跡に訪れたアルルに「サタン様を愛した者は幸せにはなれないんだよ」と忠告しています。
アズュラーンには「関わった者たち全てを終には破滅させてしまう」という要素があるので、この頃のサタンも彼と関わった者達を次々と破滅させていたのかもしれません。
彼と関わりを持ってしまったアルルは破滅こそしなかったものの、「旧ぷよシリーズ」では彼の想像した「ぷよ地獄(現在で言うぷよ勝負)」や彼の巻き起こす騒動に度々巻き込まれる事になりました。
サタンはぷよSUNでは「ギャルにモテたいから」というしょうもない理由で太陽を巨大化させ世界を灼熱地獄に変えてしまい、アルル達を苦しめました。
…この様に「世界は滅亡させないかもしれないが、関わった者達に災厄をもたらす魔王」というのがざっくりとした魔導物語~旧ぷよにおけるサタン像だったと思います。
…ところがそんな彼に転記が訪れます。元コンパイル社員だった織田健司さんによる小説「真・魔導物語」の登場です。この小説自体が今までの「魔王と勇者(アルル)の戦いは世界の滅亡とは関わらない」という今までの魔導物語やぷよシリーズを改変するものであり、「魔導物語シリーズ」の世界は一度滅びて終焉を迎え、在りし日の魔導世界を夢見てサタンが今一度創造したのが「ぷよシリーズの世界」だという事になりました。
…つまり真魔導設定的にはサタンこそが「ぷよ世界そのものやアルル達の創造主」だという事です。
セガに版権が移った後、セガが初めてオリジナルキャラクター達で制作した「ぷよぷよフィーバー」ではアルカディアという雑誌で「アミティの前世は女神」だと公開され、「ぷよフィの世界観は旧魔導物語ではなく真魔導物語と同じなのか⁉」と2003年から数年間話題になりました。
2006年には満を持して「15th」でぷよシリーズに久々の復活を果たしたサタンでしたが、コンパイル時代のように魔王として事件を起こすわけでもなく、ラスボスや事件の黒幕としての彼の立ち場は「時空の旅人エコロ」を筆頭にエックス、マール、スクエアスと世代交代したような形となりました。
サタンにはこの様に「世界を創造する」という神にも等しき所業をやってのけた設定もあり、それがセガぷよにも引き継がれたかに思えた時期もありましたが、実際のセガぷよサタンにはその様な描写は存在せず、2015年には公式から「あまり凄そうな奴には見えない」とまで言われてしまうようになりました(^^;)
一応、「7」ではエコロからアルルを奪還すべくりんご達を導いたり、「ぷよクロ」ではラフィソルが消えないようにエコロと共に魔法をかけたり、最新作「ぷよテト2」でもスクエアスを叱咤激励する先輩的に描かれたりと活躍の場面自体は色々あったのですが…。
そんなセガぷよサタンが迎えた最終形態、「蒸気都市のサタン」がどのような人物だったのかと言いますと…。
もはや魔王ですらなくなっていました💦💦💦
…魔王ではないのなら、そのツノは一体なんなのでしょうか?
ただの飾り? もしかして、「人間とヤギのハーフ」とか、そんなオチだったりするのでしょうか?💧
そんなバカな―!😱😱😱(サタンの負けセリフ風に)
肩書こそ「市長」と皆の長的な感じではあるものの、残念ながら誰からもそうとは認知されておりませんでした(後付的に出て来たキャラなので仕方がない面もあるとは思いますが💦)
これはまさしく、セガぷよファンから「超越した存在」だと認知されないセガぷよサタンの行き着く果の姿という感じです(くどいようですが、セガぷよファンの方を責めているわけではないですよ💦)
蒸気都市の設定やストーリー自体は今までの世界とはパラレルor未来的な別物として楽しめる内容であり、蒸気サタンが魔王ではない事自体は何も問題はありませんが、りんごやあたりが現代風のデザインだったり、蒸気都市が魔法や魔王とは無縁の世界だったりするのを見ると、現行セガぷよスタッフさん達はそんなにもコンパイルぷよ~ぷよフィで描かれてきた「魔導物語の世界」から脱却したいのかと思うと懐古中としては残念です。
この様に長らく(2006年位までは)「魔導物語」を原点とする「魔法の世界」であったぷよシリーズでしたが、「7」以降のセガぷよでは(初期のぷよクエを除き)「魔法」それ自体が重要視されて来なかったんですよね💧
だから新キャラ達が現代風のデザインで魔法が使えなかったり、「ヒカガクテキ」とかいうしょうもないツッコミが飛んできたり、ロボが登場したりしたワケです。
その事について(筆者以外には)不満を述べるファンもほぼいない・(蒸気都市では)サタンさえも魔王ではなくなったというのを見ると「現代のぷよシリーズにはもはや魔法は邪魔な要素でしかないのかもしれない」と思います。ついでに筆者のような懐古中も「古い世界観にいつまでもこだわる老害」という事になるのかもしれません💧
魔法が重要視されない(むしろ邪魔)だからその頂点に君臨する魔王もあまり凄い存在として描かれない・新たな世界では「誰にも認知されない残念な(人間の?)市長」という事になっているのかもしれません。
世界は滅亡させないが、関わった者達に災厄をもたらす魔王
滅びてしまった魔導世界をもとにぷよ世界を創造した神にも等しき存在
異世界の魔王
「あんまり凄そうな奴には見えないにゃ」
蒸気都市のサタン。もはや魔王ですらない、ただの人間!? 誰からも認知されていない残念な市長(今ここ)
念の為フォローしておくと、蒸気都市においては「蒸気」こそが「魔法や魔力に代わる概念」と読み取れなくもないですし、これはこれで魅力的な面白い世界観ではあります。「蒸気都市のサタン」について語りたい事はまだあるので次回に続きます。
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