ぷよぷよファンブログ

ぷよ・魔導物語のバトル描写について

燃え盛るサタン

※注意:この記事にはややショッキングな内容が含まれるかもしれません。閲覧の際はご注意ください。

10日ぶりの更新です。

この間何をしていたのかというと、勿論「ぷよクエ」もやっていましたが、オリジナル漫画の制作を進めたり本を読んだりしていました。

さて、今回のテーマですが、キリューさんのアメブロ「ぷよマス!サンシャイン!」(記事最下にリンク有)に触発された内容になっております。

最新の記事でキリューさんは「生物性の剥奪」というものを解説されていました。詳しくは「ぷよマス!サンシャイン!」を読んで頂きたいのですが、その一部をカンタンに紹介すると「暴力を振るわれたら痛いし苦しいし、血が出たりケガしたり、最悪死んじゃう場合もあるけど、フィクションだと軽く扱われている事が多いよね」という話です。

先述の通り、私も創作活動をしているのですが、その時に最初につまずいた(悩んだ)課題の一つが「暴力を振るう時や、暴力を受けた時のダメージをどう描くべきか」だったので非常に興味深く、関連記事やそこで紹介されていた本も読みました。

「暴力」というと聞こえは悪いですが、要は「バトルをどう描くべきか」という事です。

まぁ、筆者の創作のことはさておき(できれば読んで頂けた方が嬉しいですがw)この記事では「ぷよ・魔導物語シリーズにおけるバトル描写」を振り返ってみたいと思います。

しかし、そうは言っても「ぷよシリーズ」はそもそもパズルゲームであり、暴力的なバトルとはほぼ無縁のように思われますし、現在では細山田Pも「ぷよシリーズで暴力を描くことはNG」と宣言されております。

では本当に暴力的な描写が今までなかったのかというと、意外とそうでもなく(?)

サタンのお尻に火を付けるアルル

©SEGA CORPORATION,2003

キキーモラからモップ代わりにされるアルル

©SEGA CORPORATION,2003

ハニービーの注射器が頭に刺さったシェゾ

©SEGA CORPORATION,2003

ぞう大魔王から火だるまにされるシェゾ

©SEGA CORPORATION,2003

※スクショのセリフが中途半端でスマソ。

ぷよSUNの漫才デモではアルルがサタンのお尻に火をつけたり、アルルがキキーモラからモップ代わりにされて石畳の上を掃除させられたり、シェゾの頭にハニービーの注射器が突き刺さったり、シェゾがぞう大魔王から火だるまにされたりと、現在の公式からは

「そんなことしちゃダメぇ。 ゚(゚´Д`゚)゜。ぇぇ」

…とか言われてしまいそうな位、荒っぽいことを色々やっていたワケです(笑)

※現在の版権元はセガですが、当時はコンパイルがこのゲームを開発しました。

念の為断っておくと、筆者はぷよSUNの漫才デモ、面白くて大好きですし、チビキャラによるアニメーションは「よ~ん」以降のぷよシリーズよりも表現の幅が広いと思っています。しかし多少荒っぽいこともやらかしている本作の漫才デモが「ギャグ」として成立していたのは「生物性の剥奪」があったからこそだったのだ、という事に(キリューさんのブログを読んで)気づいたのでした。

…どういう事かというと、火だるまにされても注射器で頭をブッ刺されても、彼らは焼死しないし血も出ない(=いくら暴力を振るわれてもケガしたり死んだりしない)から見る側は安心してゲームを楽しめるのです。

燃え盛るサタン

©SEGA CORPORATION,2003

では、ぷよシリーズの原点である「魔導物語」シリーズはどうだったのかというと、こちらでもやはり基本的には「生物性の剥奪」が行われており、アルルがファイヤーの魔法を使っても、シェゾが闇の剣で切り裂いても、敵は「ばたんきゅ~…」するだけで焼死したり身体が真っ二つに割れて出血死したりしないわけです(PC98魔導を除く)。

せいぜい、ゾンビの死体がバラバラになる過程がコミカルに描かれる程度です。

それは、基本的には彼らが戦う相手が「モンスター(ファンタジーの存在)」だからと解釈する事もできるのですが、見落とせないのが人間VS人間でもその点は同じだという事です。

現在の彼らの関係からは信じられない話ですが、シリーズの原点である「魔導物語EpisodeⅡ」ではアルルとシェゾは殺し合いをします。その時も(PC98魔導を除いて)彼らは血を流しません。

アルルがシェゾを殺した時は「蒸発した」という、現実ではほぼありえない方法で彼は死滅し、プレイヤーが罪悪感を抱きにくいようになっています。(リメイク版では「ばたんきゅ~」しただけになりました)

で、さっきから言っている「PC98魔導って何よ?」という話なんですが、ご存知の方も多いと思いますが、こんなゲームです。

PC98魔導アルルVSシェゾ

© D4エンタープライズ , セガホールディングス

ううん…グロイ(-_-;)。さすがに恐過ぎたのか、アルルの出血はテキストのみで表現されます。

本作は「魔導物語EpisodenⅡ」のリメイクに1と3のエピソードを追加した「MSX2版魔導物語1-2-3」を更にリメイクしたものです。実は筆者もPC98魔導はプレイした事がありません(ソフトは持っているけどね(^^;))

PC98魔導はホラー色の強いゲームで、それはホラーゲーム定番の敵である「ゾンビ系」モンスターが多いことからも伺えます。

…というわけで、(PC98魔導を除き)ぷよ・魔導物語シリーズも「生物性の剥奪」とは無関係ではない、という話でした。

何故多くの作品で「生物性の剥奪」が行われているのかというと、暴力によって出血したりケガしたりというリアルな描写は娯楽作品との相性が悪いからなのだと思います。

かと言って、暴力の描写そのものを制限してしまうと、表現の幅が狭くなってしまう事も事実です。それは「ぷよSUN」の漫才デモを見ても明らかでしょう。(セガぷよの「暴力禁止」という方針に反対しているわけではないですよ)

筆者としては、アルルもシェゾも血を流しながら戦うリアルな「PC98魔導」より、多少荒っぽいことをしあってもギャグで済まされる「ぷよSUN」の方が好きなので「生物性の剥奪」は娯楽作品における一種の「必要悪」みたいなものなのかもしれません。

とはいえ、(キリューさんの指摘する様に)娯楽作品における「暴力を振るわれても死なないし、血も出ない」というキャラクターの描写が戦争のために利用された事や、「その文脈が現在でも続いているのだ」という事実からはやはり目を反らしてはいけないものがあると思います。

多くの場合、現実の暴力と娯楽作品(フィクション)におえる暴力は全く違うものだ、という事を消費する側は忘れてはいけないでしょう。

また、作品を創る側も「どうせフィクションだから」と思って安易にキャラクターから生物性を剥奪するのではなく「本当にこの描写でいいのか?」と一旦立ち止まって考える必要があると思いました。(少なくとも筆者はそうしようと思いました)

もっとも現在は「暴力禁止」と公式が宣言していますから、コンパイルぷよや魔導物語シリーズはともかくセガぷよを遊ぶ分には、その様なことは考えなくていいのかもしれません。

キリューさんのアメブロぷよマス!サンシャインはこちら

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コメント (2)
  1. 在野キズハ より:

    最近魔導・ぷよクエにハマった者です。
    初期魔導における「生物性の剥奪」は米光氏が以前手がけた「魔導士ラルバ」の影響を引き継いだ感じだと思います。(そちらはコミカルな絵柄で容赦なく敵が真っ二つになったり、ラスボスの首が飛んだり、挙げ句の果てに生きたアライグマの頭を食べて、腹壊してゲームオーバーになったり)。

    「アンチ大作RPG」時代の魔導が(恐らく)当時のシリアス一辺倒な青年向けダークファンタジーRPGをある程度コミカルに風刺(?)した作風であるのに対し、ぷよぷよ全盛期から独自のコミカルファンタジーへとシフトしていった感じだと思います。
    ある意味、真魔導設定での旧魔導世界と新魔導(ぷよ)世界の「棲み分け」はそういう辻褄を合わせるためだったのではないかと…(でもやっぱり同じ次元であって欲しい)

    1. akinoruiP より:

      在野キズハさん、こんにちは。コメントありがとうございますm(__)m

      >初期魔導における「生物性の剥奪」は「魔導士ラルバ」の影響
      おおお、そうだったんですね。情報ありがとうございますm(__)m …と、いうか最近ハマったばかりだというのに(?)ラルバの事まで調べられているとは、なかなかの通ですねb(^_^)

      >ダークファンタジー風刺からコミカルファンタジーへシフト
      確かにそんな気がしますねー。ぷよシリーズを先に触れてからMSX版魔導物語1-2-3をプレイしたら、コミカルながらもハードな世界観(まだ5歳のアルルが手強いイリュージョンモンスターの塔に挑む等)に驚いた記憶があります(;゚Д゚)

      >棲み分け
      真魔導設定的には旧魔導世界が滅んだその後、在りし日のアルルたちを偲んでサタンが想像したのがぷよ世界、という事になっているらしいので残念ながら別の世界だと思います(><;)。 しかし、現在では真魔導設定も宙に浮いてしまっていますから、2つの世界を厳密に分けて考えることにあまり意味はないのかもしれません。

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